写真家と環境問題について

 

どんな高度な人工物もやはり自然の造形にははるかにおよばないものです。なんといっても自然は時々刻々変化していくすばらしいスペクタクルを僕たちにみせてくれます。僕たちが都会で心地よく暮らしていかれるのも自然という広大なベースがあってこそのものです。

写真の制作過程では現像液や定着液などの廃液がでますし、フィルムなどもたくさん使います。現実的に使用されるフィルムは数カットなわけですから使用される以外のフィルムはある意味無駄 なものといえなくもありません。 環境問題が一般的な問題となって、僕たち個人の写 真家のところまで廃液業者が写真の廃液をとりにきてくれるようになったのもここ数年からのことだとおもいます。それまでは個人や小さい規模のところには廃液業者はきてくれなかったのですから、廃液を直接下水に流したりしていたところも多かったと思います。以前に働いていた会社の排水溝の金属部分が定着液の廃液によってぼろぼろになっていた光景がまだ頭にこびりついています。

デジタル化によってフィルムの化学処理の部分やフィルムの無駄 とも言える部分はなくなるのですが、やはりいろいろな意味でクリエイティブな写 真制作には無駄ともいえるような部分がでてきてしまうのは仕方のないこととおもいます。 21世紀は企業活動にしろ個人の活動にしろ環境問題を考えながら活動を続けていかなければならない大切な時期です。 昔の人々は自然のままの土地を開墾したり住居を造ったりして自然のあるがままの姿を人の手で変えなければならないときには、必ずその土地の霊に感謝の念を捧げていたそうです。現代はひとりひとりの行為がどのように自然に影響をあたえるのか目に見える形ではすごくわかりにくい時代だと思います。一人の写 真家としてどのように環境問題を自分の現実的な活動にむすびつけるのかはとてもむずかしいのですが、とりあえず一つの選択肢として2000年から年に一度日本自然保護協会にごくささやかな額ですが寄付をするということにしてみました。

そんなに環境問題が気になるなら寄付なんていうようなお手軽な方法でなく、もっと汗水たらしてなんかしろよ、という意見もあるとおもいますし、現実的になにかの活動をすることも今後は選択肢の一つに具体的にあげていかなければならないかもしれませんが、とりあえず自分のできる一番簡単な方法から始めてみるのが最良と思っています。一時の思いつきでなく、息長く続けれらる活動が重要です。

日本自然保護協会は僕の知るかぎり、NGOの団体として会費と寄付だけで運営され自然保護の活動を自主的に続けている団体です。 諌早湾の干潟埋め立て問題や石垣島の空港問題などなど全国にある自然保護活動を調査したりするだけでも大変な費用と時間がかかっています。こうした活動は息長く続けていかなければならない地道な活動です。現在会費制のサポーター制度と寄付が日本自然保護協会の主な財源となっています。2001年度の会員からのサポートが1億985万円、寄付が4200万円だそうです。この額は決して多くはなくもっともっとサポーターをふやしたいのが現状だそうです。サポーターは年会費5000円です。 興味をお持ちの方はぜひ日本自然保護協会のホームページをご覧ください。


http://www.nacsj.or.jp

 

 

 
東大経済学部用に自主的につくったポスター

モデルになっていただいた友人のダンサーまこちゃんはふだんからほとんどノーメークで玄米や雑穀などを食べている自然派美人です。もちろんアイスクリームも大好きな明るいお嬢さんです。撮影の日もノーメークであらわれてそのまま撮影しました。撮影場所は都内にある奥野正寛氏のお宅の屋上です。印刷では原寸よりも拡大された大きさになるので肌には少しレタッチをしています。

P:永田陽一
D:趙乙子
C:筒井昌宏(プランビー)
CG: 山田裕哉
M: 康本雅子
Adv.:奥野正寛(東大経済学部教授)
印刷:ベーテルフォト印刷