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スペイン南部、アンダルシア地方にはすばらしいイスラム庭園が多い。グラナダのアルハンブラ宮殿の中にある庭園ヘネラリフェ。コルドバのアルカサールやヴィアナ宮。
初夏のスペインの強烈な日差しのなか、シエスタでひとっこ一人いなくなる庭園を巡っていると白日夢をみているような眩暈におそわれてしまう。
イスラム式の庭園は典型的な回遊式の庭園である。それは楽園としての庭園であり、ひとつの小宇宙とも言える。
いにしえの王侯たちは庭園の中で歌い遊びさまざまな快楽を演出させたことだろう。イスラム庭園とは官能的で、聴覚や触覚、視覚、嗅覚に訴えかけ全身で味わうパラダイスを体験をさせてくれる場所なのだともいえる。
咲き乱れるさまざまな花々、樹木によってかたちづくられた小径、官能的な小噴水の数々が織りなす逸楽、そして黄昏時の空にはまさにクラインブルーのような真っ青な神秘的な色が降りてくる。これらの庭園は訪れるものを決して飽きさせることがない。
昼下がりの庭園を堪能し終わったあとは、さらにこの地方でなければ味わえない舌と眼と耳の陶酔が待っている。
アンダルシア地方の名物スープ、ガスパチョはニンニクとアーモンドがきいていて素晴らしくうまいし、白ワインやシェリー酒もからっとしたこの地方独特の暑さの中これまたなんともいえないくらいさっぱりと舌にからみついてくる。
それまで特に関心のなかったフラメンコもコルドバのとある酒場での大熱演をみてあっという間に好きになってしまった。手拍子のリズムがいやがおうでも人の内部に眠っている血を熱くさせ、それをスペイン女性の踊り手の大きくしまったお尻のグラインドが死の淵までへもひっぱりこんでしまう。アンダルシアはほんとうにアツイ。
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