日々のあぶく

 

 

2002年7月19日

え、バライタ紙のクリスタルなくなっちゃったの!!

 

 

柏圭という宝石会社の仕事で、モデルの写 真をとってそれをバライタ紙にプリントし、その上にダイヤモンドを配置して撮影するという仕事をしました。 (現在の大半の印画紙はRCペーパーというポリエステルベースの印画紙、バライタ紙というのは紙ベースなので、プリント処理に時間と手間がかかり現在では展覧会用とか限られた使い方しかされていない)

ところが、なんと僕のお気に入りのバライタ紙だったオリエンタルのクリスタルという印画紙が生産中止になっていたんですねー。
それでもなんとか在庫をかきあつめて10×12インチの印画紙3号と2号を各40枚ずつ手に入れてやっとカツカツのところで仕事をしました。都内にあるクリスタルペーパーはこれで最後かも。
ひさびさのバライタ紙プリントで、ラピッドセレニウムトーナーによるトーニングまできっちりやったので、カンが戻るまでに時間がかかり5日間もプリント作業にかかってしまいました。
そういえば、コダックのエクタルアというこれまたお気に入りのペーパーも生産中止されたとのこと。

そうですよねー、世の中デジタルカメラとインクジェットなどのプリンターの時代、いつ使われるかもわからないパライタ紙なんかつくってられないってのがメーカーの本音でしょうからね。

僕もこのところインクジェットプリンターで入校原稿をつくることもあるのでバライタ紙でプリントすることは年に一度あるかないか、ですけどね。
しかし、ひさしぶりにクリスタルにプリントしてみてそのプリントの味にほんとほれぼれしました。もうインクジェットから出てくるプリントとはまるで違う、それこそ宝石のような存在感があるんですね。

もちろんバライタ紙ならではのテクスチャーは印刷されたり、ウェブでみたりしたのでははっきりわかりませんから、最終用途がこういうメディアであれば、バライタ紙のクリスタルがないということはそんなに問題にはならないかもしれない。
でも、わりきれないですね。
ロバート・メイプルソープやアーヴィング・ペンの写真をプラチナプリントという気の遠くなるような手法で焼き上げたプリントなどはもう写 真という概念をはるかにこえてこうごうしいまでのオーラをはなっているんですよ。プラチナプリントはもともとプロダクトとしては存在しない手作りのものですけど、写 真家の手によってオーラをはなてるようなプリントになるプロダクトが生産されなくなっていくというこの状況はほんとに悲しむべきことです。

写真はダイヤモンドを配置してPR誌のカバーになったものと、モデル撮影の時にデジカメで撮ったあそび写 真。